2014.10.10
会社をおこすのはいつがいい?法人化のタイミングを見極めよう!
以前も記事で、ビジネスのしかたには法人事業と個人事業の二種類の方法があると説明しました。どちらでビジネスをおこなっていっても問題はないのですが、個人事業と法人事業にはそれぞれメリット・デメリットがあることもお話ししてきたと思います。
そこで今回は、法人化のタイミングについてお話していこうと思います。具体的には、「法人化で個人事業よりもメリットが大きくなるタイミングはいつか?」というようなお話しになります。
・所得が1,000万円を超えた時
一般的によく言われていることとしては、所得が1,000万円を超えたら法人化をするのがタイミング的によろしいとされています。これは、税金面や経費の面で、法人化したほうが有利になるからです。具体的には、1ヶ月の収入が80〜90万円を超えたあたりで法人化すると良いようです。
個人事業でも経費を使うことはできますし、法人化をしたからといって所得税がかからないワケではありませんが、日本の法律上、累進課税を採用しているので、どうしても所得が上がれば上がるほどに、税率も高くなります。
・法人化の準備が整った時
法人化をする方法は、法人登記をするだけです。今や会社法が改正され、資本金1円から株式会社を設立することができるようになったので、起業資金さえ用意できれば、誰でも起業できることになります。株式会社を立ち上げるのに手続き上かかる費用は、だいたい25万円前後と言われています。
また、スタート時に資本金1円から立ち上げることができるようになった株式会社ですが、現在でも資本金1,000万円の基本は変わっていません。つまり、1円スタートの場合、後から(5年以内に)頑張って資本金を増やさなければいけないということです。なので、資本金の1,000万円と法人登記にかかる費用や、事務所のテナント、備品にかかる費用など、一通りの資金を準備できたタイミングで起業するというのもひとつの方法です。
どちらにしても、1,000万円を溜め込むということは、収入の水準が高くなければできません。年収で1,000万円を稼ぐか、資本金の1,000万円を溜め込んだら法人化をするといいでしょう。
法人化の節税について
個人事業では、ほとんど節税をすることができません。利益のほぼ全てが「所得」として換算されてしまうためです。しかし、法人の所得になると色々と割り振ることができるようになるため、税金面で節約ができます。
個人の所得が低いうちは、あまり節税について考える必要はありませんが、所得が上がるにつれて累進課税によって税率もどんどん上がっていくので、節税について考えていく必要が出てきます。その最も最適なラインが先ほどお話しした1,000万円あたりのラインというわけなのです。
正直、あまり収入が少ないうちから法人化をしてもメリットは殆どありません。節税対策も何も所得税率がもともと低いからです。法人化することで税務や経理が複雑になることも考慮すると、やはり法人化するタイミングは見計らったほうが良さそうです。
経費について
仕事や業務に関連する事柄で使用した出費については、経費を使うことで節税になります。しかし、個人事業では経費として計上できる範囲が狭いので、この部分に関しても法人化するメリットはあると言えるでしょう。
・事業を拡大する時
現在おこなっている事業を拡大して、さらに利益や知名度を高めていこうというようなタイミングでは、やはり法人化したほうがメリットが大きくなります。たとえば、何か製品を販売する場合に、個人名で販売するのと法人名で販売するのでは、たったそれだけのことでも消費者の信頼度や印象が変わってきます。
また、一定の事業予算が必要で、融資を検討している時などにも法事かのメリットはあります。個人事業よりも融資を受けやすくなりますし、法人化することによって社会的な信頼度が高まります。
・法人相手に取引をする場合
共同で事業をおこなう場合や、何かしらの契約を企業間で結ぶ場合には、法人化のメリットが大きくなります。法人企業と契約を結ぶ場合に、個人事業者よりも法人のほうが信頼度が高いことは言うまでもありません。
それだけではなく、法人格として対等な取引を持ち込むことができるため、こちら側としても取引が有利に運びやすくなります。個人名というだけで取り合ってくれないということもよくあります。
肩書きが法人だというだけのことなのですが、それだけでブランドとしての意味合いをもってしまうのが、法人というものなのです。