2014.11.25
本当は怖い追徴課税の「重加算税」について
所得税の隠蔽つまり、脱税はデメリットしかありません。故意におこなうのは悪質極まりませんが、問題は個人始業主で、法的な手続きを知らずにそのまま隠蔽したことになってしまっている場合です。
今回は追徴課税の中でも最も厄介な「重加算税」についてご紹介します。
追徴課税(ついちょうかぜい)とは?
以前の記事でもお話ししましたが、追徴課税とは、税金の申告をしていなかったり、故意に所得を隠したりしている場合に、課せられるペナルティのことです。
所得が発生すれば、それに見合った税金を国に納めなければいけませんが、所得の申告をしていなければ、本来納めるはずの税金が納められていないということになり、不足分の税金を追加で支払わされるのです。
これだけならまだしも、申告していなかった所得分の税金に、延滞金や罰則金がついてきます。そして、より悪質な場合は重加算税が付加されることになるのです。これはもはや「知らなかった」では済まされない問題なのです。
重加算税とは?
重加算税とは、追徴課税の中でもとくに税率が重く、長い間税の申告を隠蔽していて、税務調査などが入って発覚した場合に課税されます。税率は、本来支払うべき税金にあわせて、その総額の35%〜40%の重加算税となるので、これがいかに重い税かがわかると思います。
たとえば、個人事業主で年収が毎年400万円の場合、所得税率は20%が適用され、税額は72万円程度になります。これを仮に5年間隠蔽し続けたとしましょう。
72万 × 5年 = 360万円となります。
そして、これに重加算税が上乗せされますが、これが40%計算でいくと、
360万 × 40% = 144万円が重加算税となります。
本来支払う360万円の税金と重加算税の144万円をプラスすると、504万円もの税金ということになり、毎年の年収額を軽く上回ってしまいます。これは基本税と重加算税のみの話で、ここからさらに延滞金などの税金も加わっていくため、どれだけ膨大な税金になるかがおわかりいただけるかと思います。
個人始業主は決して人ごとではない
重加算税は所得の少ない個人事業主だろうと関係なく加算されます。個人事業を始めた時点で、法的な届出の義務が生まれます。近年ではネットビジネスなどで、いち個人が簡単に個人事業主となれる実態があります。
いくら人から勧められてネットビジネスをはじめたとしても、法的な手続きについてまで詳しく教えてくれる人はいません。なので、こうした追徴課税や税務署への届出を知らない人も多いのです。
「知らなかった」で最終的に面倒な手続きを押し付けられるのは、他でもなく個人事業主であるあなた本人なのです。知らなかったでは済まされないのです。
以上が、追徴課税についてでした。法律のことは複雑な内容が多くなるので、詳しくはご相談ください。