会社を立ち上げる上で、重要なことは、資金繰りから始まり、経営スタイルや先読みのビジョンなど、多岐にわたりますが、もっとも重要な部分は、案外内側にあります。そんな起業に大切なモノの見方や考えかたについてお話ししていこうと思います。

 

志をしっかりもってビジョンをハッキリさせる

何をするにもまず重要になってくるポイントは、志しとビジョンの明確さです。何を持ってして会社をおこしたいのか? その事業にどのようなメリットがあるのか? お金を稼ぎたい目的は何なのか? など、何でもいいのですが、とにかく自分がこれからやろうとしていることに対してしっかりとしたビジョンを持つことが大切です。

なるべくハッキリと明確に先々を思い浮かべてみてください。大半のことはやってみないとわからないかもしれませんが、行動するにも目的がなければすぐに挫折してしまいます。なるべくゴール地点を明確に思い浮かべることが大切です。

 

自分のやっているビジネスや分野をよく知る

起業して事業を展開していくには、まず、自分がやっている事、これからやろうとしているビジネスについてよく知る必要があります。裏を返してみると実はあまり魅力的じゃなかったという事はよくある話です。

ミュージシャンを志す若者が、必死の努力が実って音楽業界に入ってみたら、実は自分が求めていたような生活が待っていなかったという例があります。これはまた別の理由も色々あると思いますが、自分がやろうとしていることや、その分野についてよく知っておかなければ、途中で全く価値がなくなってしまう可能性もあるのです。

起業ともなればたくさんの資金やお金が動きます。首を突っ込んでみて「やっぱり違った」では済まされない部分も沢山あります。

 

事業を第三者の目線に立って見る

趣味のことであれば、完全主観で、自分の世界に入ってしまって良いのですが、事業ともなるとそうはいきません。自分たちにはたくさんの顧客がつき、支援する人間がつくのです。

自分たちについている顧客は何を求めているのか?そのニーズにあった事業を展開しているのか?痒い所に手が届くものなのか?他の製品にはない魅力があるか、など、常に自分たち以外のものを意識していく必要があります。

頑固でこだわりを持った職人気質の人たちがどんどん廃れていってしまうのはいささか寂しいものですが、それだけ他に受け入れられる事業展開こそが広く長く利益を出していくためには重要なのです。

 

ニーズに応える or ニーズを作り出す

事業を成長させていく方法は2通りあります。世の中に現存するニーズに応えた事業展開をおこなっていくという方法と、新たにニーズを作り出すという方法です。

たとえば、アップル社が世界で初めて展開したスマートフォン事業は、今や世界中に拡大しています。これこそが新たなニーズを作り出した例と言えます。世の中の人が何を求めているのかを知れば、自ずと今はない新しいニーズを作り出していくことができるのです。

ファッション業界が総出で流行を作り出し続けているのもそれが理由です。ファッションの業界は、常に新しいニーズを作り続けなければ商品が売れません。自分の事業に当てはめて考えてみると良いと思います。

 

時間管理を徹底する

起業家の最初の仕事は、時間をつくることです。いかにして1日24時間という限られた時間を有効に活用するのかという点です。

無理矢理時間を詰め込みすぎてもオーバーワークとなり、長続きはしません。自分にとって無理なく続けられる時間の作りかたを考えることこそが、まずはじめに必要な仕事と言えるでしょう。

 

他人に頼る

最後になりましたが、起業して成長していくのに大切なのは、他人に頼ることです。もちろん、何もかもおんぶに抱っこというわけにはいきませんが、必要な場面で人に頼れる人こそが早く成長していきます。

自分で何でも抱え込むよりも、人に頼るほうが案外難しいものです。他人とはとても曖昧で不安定な関係の上で成り立っているからです。しかし、成功したければ人にうまく頼るスキルを磨いていってみてください。

また、必要なところでお金をかけて専門家に頼ることもできます。弁護士や司法書士、税理士などは、起業家にとって欠かせないパートナーとなります。お金をかけることで頼ることができますが、お金をかけるポイントと頼る相手はしっかりと選んでください。

写真:大平 清貴

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