一昔前までは、テレビ番組の賞金として「金貨」や「金の延べ棒」などが当たり前に登場していましたが、現代では金の高騰の影響もあってか、あまり登場しなくなりました。

金は、ただ豪華で飾り物として人気があるだけではありません。実は資産運用のあり方として、もっとも健全かつ簡単に資産を継承したり増やしていくことができる方法でもあるのです。

 

札束ほど価値の変動しやすいものはない!?

大金を手にしたとして、それを長らく一族の財産として保有していたとします。たいていの場合、お金は札束ですから、紙幣として銀行口座なり金庫なりで管理をします。しかし、札束は「貨幣」であり紙切れ自体には何の価値もありません。つまり札束ほど価値が変動しやすいものはないのです。

紙幣は為替の値動きによって常に変動しています。たとえば、つい80年ほど前までは、現在の100円が当時の価値にして70万円ほどでした。つまり、単純計算でも20,000円あれば3億近い資産を持っていたことになるのです。しかし過去の100円は何年経っても100円のままです。現代の価値ではお菓子を買うくらいの価値しかありません。

 

「金」の価値は下がらない!?

最近では金の価値がどんどん上がっています。金は札束ほど価値が大きく変動するものではありません。紙幣と違って、昔の価値のまま現代のお金に換金することもできます。また、金の価値は今後もどんどん上がり続けていくといわれていますから、これほどまでに手軽な資産運用の方法はありません。

株などのように取引を続けなくても、持っておくだけで時間とともに価値が上がってくのが金なのです。しかも、金は純度が落ちない限り車や家具などと違って、中古になったから価値が下がるということはありません。

 

「金」を人に渡したり相続すると税がかかるのか?

ここで一つ問題点があるとすれば、税金です。お金などの財産を他人に譲渡するときは贈与税が、相続する場合は相続税がかかります。では、金を財産として管理したとして、その管理者が無くなる前に子供に譲渡した、もしくは他人に渡してしまった場合、税金はかかるのでしょうか?

人に財産を渡すときに対象となるのが「贈与税」ですが、金も財産のうちに入りますので当然ながら贈与税の対象となります。贈与税は所得税などと同様、累進課税になっていますから、財産が200万円以下であれば10%、1千万円を超えると最大で50%まで贈与税がかかります。

金として管理している場合は、その中から税金を支払うということができません。現金で支払うためには、場合によっては金を溶かす必要がでてくるかもしれません。というより譲渡や相続の段階で現金に換金されてしまうことのほうが多いようです。財産を運用するために、金を購入しようと考えている方は、税金面についても考えておいたほうが、より快適な資産運用ができますよ。

写真:大平 清貴

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