私たちの生活と切っても切り離せないのが税金です。たとえ個人であっても所得税や住民税、消費税に酒税にタバコ税にと、実にさまざまな税金を日々課税されているのです。それが会社経営ともなれば、税金の種類もさらに増え、税務はより複雑になります。
特に累進課税制度では課税される税率も収益に応じて馬鹿にならなくなってきます。そんな税金面で損をしないためにおこなうのが節税対策なのです。
頑張っている人ほど損をする社会!?
といえば、少々大げさですが、あながち間違いでもないと思います。日本では累進課税制度を採用していますから、収入に応じて税金の比率はどんどん上がっていってしまいます。つまり、稼げば稼ぐほど税金で大部分を持ってかれるということになります。
それなのに高額納税者は一般人から理解されづらいです。少し前に某芸能人がSNSサイトで税金のことについて書き込みをしていました。そのとたん、多くの一般人からコメントが寄せられ、炎上しました。中には「高い税金を払って当たり前」という意見まであったそうです。
ここで少し私なりに苦言を呈したいのは、累進課税制度ではたくさん稼いでいる人が、稼いでいない人の分まで多く税金を払っている制度でもあるのです。たとえば年収2000万円を超える人だと40%もの所得税を納めています。所得税のみで40%です。その他にもさまざまな税金がかかってくることを考えると、実質年収の半分の1000万円近くを税金で持っていかれているということです。
苦労してそこまでの収入を得られるようになっても、半分も税金で持ってかれるのです。これが1ヶ月15万円程度のフリーターだったらどうでしょうか?とてもではないですが生活していけません。高額納税者は収入の少ない人のぶんまで税金を納めているということです。言ってみれば高額納税者が社会を回しているといっても過言ではありません。
それなのに世間一般からは嫉妬され、「それだけ稼いでいるのだから少しくらい頂戴」と言われたり、「高い税金を支払って当たり前」とさえ言われてしまうのです。まさに頑張っている人ほど損をする社会ですね。少しでも頑張ってきた努力に酬いるためにも、節税対策をしましょう。
法人化して税金を節税しよう!
では、法人化するとどのようなメリットがあるのでしょうか?まず税金の大幅な節税が期待できます。それでは自営業の場合と比較してみましょう。
自営業者は基本的に、総利益 = 所得という扱いになります。つまり1億円稼げば1億円全てが所得という扱いになります。当然累進課税制度では40%を超える所得税率が適用されるわけですね。一方、法人化して会社経営にすると、利益 = 所得ではなくなります。つまり、所得税の他に法人税率も適用されるため、節税ができるわけですね。
また、利益の中から仕入れや交際で使った費用を経費として落とすことができます。経費には税金がかからないため、節税対策に繋がりますが、個人事業主の場合、経費として使える予算はほとんどありません。この点も会社経営のほうがメリットになります。
所得税と法人税ってどう違うの?
ここで気になるのが、所得税と法人税です。これらの違いって何なの?という疑問がわいてきます。まず、所得税とは個人の所得に対して課税されるものになります。法人税は法人の利益に対して課税されます。
じゃあ法人税がかかってその後の給料に所得税がかかるのかと言えば、二重課税になってしまうのでありません。まず、例えば会社として5000万円の利益を出したとしましょう。そこから600万円を給与として受け取り、残りの4400万円を会社の利益として蓄えたとします。
この場合、所得税は600万円に対してかかってきます。そして残りの4400万円に対しては法人税が適用されるというのが例です。実際には経費やその他の費用が関わってきますが、簡単に説明するとこのような感じです。法人税率は所得税率の上限よりもはるかに低いですから、つまり、5000万円に対して課税される自営業者と比べて、大きな節税に繋がります。
自営業として、事業を営んでいても構わないのですが、もし収益が上がり、手に余る収入の多くが税金としてとられている場合は、法人化することでメリットに繋がりますので、ご検討ください。